いよいよ船を造っていきます。
船殻工事は、材料の鋼材を入手するところから進水までが主な工事範囲です。
①鋼材入荷
船の材料となる鋼材は、製鉄所で造ってもらいます。
製鉄所で造られた鋼材は、小型船やバージで造船所の鋼材ヤードまで運ばれます。
鋼材を受け取ったら、規格や品質をチェックする鋼材検査を行います。
無事に検査が終わったら、鋼材を加工する順番に整理します。
この整理作業を「山付け」といいます。
②加工
鋼材ヤードから内業工場に鋼材を運びます。
まずは、直径1~2mmほどの鋼球を鋼材に打ち付け、鋼材表面のサビを除去します。
この処理を「ショットブラスト」といいます。
サビを除去できたら、建造中に鋼材がサビないように、「ショッププライマー」という塗装処理を行います。
きれいに処理できたら、鋼材に切断線や文字情報を書いていきます。
NCマーキン機という機械で書くのが主流です。
続いて切断工程に進みます。
切断工程はほとんど機械化されています。
NCプラズマ切断機や、NCレーザー切断機が多く用いられています。
最後に、切断できた鋼材を曲げ加工していきます。
プレスやベンディングローラーという機械で鋼材を曲げる加工方法を「冷間加工」といいます。
ガスバーナーによる加熱と、水による冷却を繰り返して鋼材を曲げる方法を「熱間加工」といいます。
船の曲線はとても複雑な形状であり、機械化があまり進んでいない工程のひとつです。
仕様を満足する設計通りの船型を造るためには、職人の高い技術力が必要です。
③ブロック組立
ブロック組立は、小組立、大組立、総組立の3つに分類できます。
小組立と大組立は工場内で行い、総組立はドック横の屋外で行われます。
(1)小組立
小組立は小さな部材をパネルに配置していく工程です。
重量は40トンくらいまでで、簡単な構造のものが大半です。
下向きの溶接作業が多いため、ロボットを配置して作業を自動化している造船所もあります。
(2)大組立
大組立は平面ブロックと曲がりブロックを造っていきます。
平面ブロックは、船体中央部の平行な部分を構成するブロックです。
ロンジ先付け工法や、枠組み工法、単板工法などがあります。
造船所によって工法はちがいます。
曲がりブロックは、主に船首・船尾部分を構成するブロックです。
設計図通りの曲がり形状を実現するために、伸縮式のスタンション冶具を据え付けた固定定盤上で組み立てていきます。
曲がりブロックの形状は非常に複雑なため、平面ブロックほど自動化は進んでいません。
大組立は仕事量が多く、船の建造作業時間の中で最も大きな割合を占めます。
作業時間を短くできれば建造にかかるコストも小さくできるので、機械化・自動化が最も進められている工程です。
(3)総組立
総組立は、大組立で造ったブロック同士をドック横の定盤で組み合わせて、より大きな搭載ブロックにする工程です。
ドック横の屋外で行われることが多いですが、ドック横に移動建屋を造り、そこで組み立てる造船所もあります。
ブロック組立時に、溶接の熱で部材が変形してしまうことがあります。
これを「ひずみ」といいます。
ひずみがあると、部材同士をうまく溶接できなかったり、デコボコがある美しくない船になってしまったりします。
このひずみを除去する作業も行われます。
ガスバーナーによる加熱と水による冷却をくりかえしてひずみを除去します。
このひずみ除去作業はとても難しい作業で、作業者には高いスキルが求められます。
ごまお
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